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漫画考察|家族の形(浦安鉄筋家族、他)

北野家/エンジェル伝説

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犬: ------------------------------------------------------------ ―― 第三章 ~家族の形(北野家)~ ―― ○ 家族の概要  父は働いており、母は専業主婦(少なくとも、作中で勤務に出る姿は無い)、一人息子は高校生という非常にポピュラー&スタンダードな構成。もっとも、近年では共働きが最メジャーとなりつつあるが。  基本的な情報からは「ごくごく普通の一般家庭」でしかないのだが、この一家の最大の特徴は「不気味」という所にある。 具体的には……↓ ・父親=高身長で厳ついガタイ。サングラスの下は三白眼の眼。     緊急時には「ごぉぉおお」と、唸りを上げる。 ・母親=「怖いほど美人」と評される。誰かとの初対面の描写では基本無表情。 ・息子=父親の特性を体格以外バッチリ遺伝。     ポマードが無いと、髪型が「怒髪、天を衝く」様に。奇声を発する癖有り。 ↑――という特徴をそれぞれが持つ。「変わり者一家(見た目)」として映るように描写を工夫されている。  一方で、その中身は非常に善人、お人好し過ぎるくらいの優しい人々。  「エンジェル伝説」のキー設定として、『恐ろしい見た目で人々から勘違いされがちだが、実は天使のように優しい人』があり、この設定は「北野家」に適用されている。主人公とその家族なので当然か。  前章とは打って変わって「家族外の人間との関係」に問題が多く生じている家庭。ただし、これは物語の進展具合で程度が変わる。  ここでの考察は対外関係を踏まえつつ、『孤立の危険を持つ3人家族』という先入観を持ってまずは挑みたい。 *考察では出来る限り物語の筋には深く切り込まないが、いくらかのネタバレ要素があることをここに表記しておく。  第一章、第二章の題材は短編の話を重ねるタイプだったが、今回の題材は区切りまでが長いタイプなので一層のご注意を願いたい。 ------------------------------------------------------------- ○ 家族の構成 ・父 =北野 龍一郎  一家の大黒柱で、口数少ない大柄の男。息子の学校へ三者面談に行った際は「殺人マシーン」「殺しのプロ」などと他の生徒から恐れられた。  生来の屈強な身体を持ち、メリケンサックをつけた拳で殴られても動じず、平手打ちで人間一人が宙に浮く怪力の持ち主。  だが、自分の力を誇示することは一切無く、人と殴り合う場合は「誤解されて襲われた」場合しかない。家庭内でも物静かでポツポツと厳格に言葉を発する様子で、妻子に強く当たる場面は皆無である。  母、碧は常に夫を立てて献身的な姿を見せるので、一家の主導は父にあることが見て取れる。また、口数少なく、家族と会話をしないかというと、むしろ自分から積極的に息子と妻にアプローチを行う姿が多く描かれている。  息子は大変に利口で心優しい。よって、「叱る」場面はほぼ無いのだが――これは作中での話であって、誠一郎の躾を北野夫妻がしっかりと行ってきたからであろう。 ・母 =北野 碧  「無表情で無愛想」……ではなく、「おしとやかで丁寧」が真相。  実際のところ、彼女単体ではそれほど怪しくは無い。夫と息子の異様さから連鎖的に「怖い」などと誤解されている節がある。家庭内に明かりが少ないこともこれに拍車をかけている。  図を確認してもらいたいのだが、本来は「美人で優しく、決して暗くはない」女性。影があることは否めないが、際立って異様なことは無く、若い頃の描写を見るに「一歩引いて後を歩く」タイプなのだろう。これが「影のある女性(怪しさ)」に見えるのは前述の通り、夫と息子の影響に他ならない。  また、「一歩引いて」と言っても夫のミスを助けたり、緊急時には強い態度で応じることができるなど、凛とした度胸のある女性だと言える。 ・長男=北野 誠一郎  一人っ子の長男。身体の線は母譲りの細さがあるものの、基本的には父親の遺伝子が強い外見。物語としても彼の「非常に怖い顔つき」が基点として始まる。  会う人会う人、まずは「誤解」から始まり、時に誤解のまま暴力を振るわれることは日常。善意の行い(悪意の行いなど絶対やらない)をしたのに怒られ、恐れられ、逃げられ、そして殴られる――この境遇に関わらず、襲われても「殴られ慣れてるから」と言って咎めることはないし、性格は至って素直に、ねじ曲がらない。真に強い人間である。  心だけでなく運動能力も高く(父親譲りか)、「殴られ慣れた」ことから「攻撃を受け流す」高度な技術を備える。これは武術の心得あるものが深く感心するほとの技術と天性であり、どれだけ殴られても「実際にはほとんど効いていない(流している)」ので“不死身”に見えるほど。ただ、皮肉なことにあまりに防御技術に優れ過ぎていて、これが彼の「悪魔」という印象を拡大してしまっている。  外見に対して「天使のように優しい心を持つ」ことが彼の大きな特徴なのだが、若干病的なまでの優しさと言えなくもない。  劇中の様を見ていると、「確かに相手の誤解だが、誠一郎の行動も普通ではない」場合は割と多い。丸太を抱えて走っている姿を見れば、それが誰であれ、「何事!?」と思われるはずだ。  厳しい言い方をすれば、他者に誤解される原因は努力次第で改善できる「普段の行い」にあると言えるだろう。決して「悪い」ことではなく、本来は称賛されるべき行いも、常人の発想から逸脱すれば「異常な挙動」として見られてしまうことは事実である。 ------------------------------------------------------------- ○ 初見の印象悪さは後の良好な関係に繋がる   「初対面で印象が悪いと、後に関係が改善された際の印象増加度が高い」、という通説がよく当てはまる家族だろう。そもそも関係の改善を待たずに相手が逃げ出す場合が多いのだが……。  家族としては個々、それぞれの繋がりがしっかりとしており、疑念や懐疑で危うい様子は無い。また、相互に支える姿勢も見せており、家族としての硬度はとても高いことが窺える(外的、内的、どちらの不安要素にも強い)。  他者からの影響によって家族が変わる余地がほとんど無く、むしろ他の集まりや個人に影響を与える立場。  『個々の繋がりが全てのパターンで強く、崩れる隙の無い分子構造』を思わせる。  その「堅さ」の根拠や、他から見た視点と当事者達の実情の違いなどを見て、『家族』の良さを引き出していきたい。  ……次項につづく。 ------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------
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