--------------------------------------------------

遊戯考察|大人の趣味とは? (カードゲームの疑問)


第一章 「TCGとは何か?」

犬:1-2 TCGの販売方法 (最近はコンビニにあることはあるけど、種類が怪しい) ------------------------------------------------------------- ○ TCGの流行  カードゲームブームが始まったのは15年以上前。『ポケモンTCG』・『遊☆戯☆王』などの発売が切欠である。いずれも都心部以外の地方でも流行し、社会現象にまでなった。  当時の小・中学生はこぞって商品を買いあさり、カードが入っているビニールの袋がコンビニや玩具屋のゴミ箱に詰め込まれるように捨てられていた光景は印象深い。ただし、あまりのブーム故に問題も発生し、袋を擦って中身を探る「サーチ」、不条理なカード交換を知識が薄い初心者相手に行う「シャーク」などが横行した。  その後、続々と新商品が発売されていく。  トレーディングカードゲームが発売される場合、以下のようなパターンが考えられる。 <項目1>◇TCG販売の主な流れ・目的  1・元から「カードゲーム」として構想したもの。  2・漫画やアニメ、スポーツなどを題材にゲーム化したもの。  3・漫画やアニメなどの他ジャンルへの派生を目的としたもの。  近年日本国内で流行を巻き起こしているのは主に「2・漫画やアニメ、スポーツなどを題材にゲーム化したもの」である。「そんなものまで」と思わず驚いてしまうようなものがあり、「とりあえず人気が出た漫画やアニメ、ゲームはカードにしてしまおう」という風潮が顕著である。  カードゲームの素晴らしいところは元が「紙」なので生産コストが低く、製作もカードのデザインさえこなせば容易いということ。ただし、「トレーディングカード」の場合はそれですむが、「ゲーム」が付くとゲーム成立の為に一定量以上の生産が必要となるため、素人でこれを製作・販売することは難しい。  ポケモンや遊☆戯☆王は<項目1>の2に該当している。 ------------------------------------------------------------- ○ TCGの販売方法  「トレーディング(交換想定)」ではない「カードゲーム」の新しいものはほとんど製作されない。現在日本企業が販売する「新しいルールを備えたカードゲーム」はほぼ全てが「トレーディング」である。理由はそのほうが高い利益を得られるからである。  コンビニエンスストアの店頭へ出向けば、「カードゲームの平たいパックが無数にぶら下げられている」という光景を確認できる。40~60枚程度のカードを用いて行われるゲームなのに、そのパックには5枚~15枚程度しか封入されていないが、これには訳がある。  「TCG」の販売方法として主な手法は、「ブースターパック」「スターターパック」(どちらもタイトルによって名称差異あり)と2種類のカードセットを用意して販売する方法である。これらの違いは以下に示す。 @『スターターパック』:  最低限ゲームに必要な枚数のカードとゲームのルール説明書、プレイシート(ゲームを快適に行う為の専用シート)などが同梱されている。ゲームを始める人は最初にこれを買う事を勧められる。値段は1000円を越すものが大半。 @『ブースターパック』:  5~10枚程度のカード(ゲームによって異なる)が入っており、これ1つだけではゲームが行えない。複数個のブースターパックを買ってゲームに必要な枚数を揃えても良いが、その場合はゲームのルールを教えてくれる仲間が必要となる。  値段は150~500円程度。封入枚数によって異なることが多いが、同じ枚数でもゲームによって大きく異なる場合もある。  コンビニエンスストアでよく見かける「ぶら下げられた平たいパック」は「ブースターパック」であり、あまり「スターターパック」は置かれていない。  TCGを知らない場合、「スターターパックがあればブースターパックは必要ないのでは」と思われるかも知れないが、TCG販売の主力は「ブースターパック」である。  まず、金銭的な面で「敷居の高さを低くする」「購入を戸惑わせる“無駄感”を減少させる」という役割がブースターパックにはある。店頭で「1000円」と表記されている商品よりも「150円」と表記されている商品の方が手軽である。買うつもりはなかったのだが、ふと目にした菓子を「小銭が余ったから」などと購入してしまうような消費者心理も望める。また、主な購買層は小・中学生なので財布にまとまった金が入っている可能性は低いこともブースターパックの存在を成立させる大きな要因である。  スターターパックの解説でも述べたように、スターターパックには「ルール解説書」や「プレイシート」が同梱されているのが普通である。スターターパックの値段は当然、それら付属品の値段も含んでいる。  最初の1つは嬉しい特典となるが、2つも3つも購入する場合、それらの付属品は「不必要な品」となる。同じルール解説書やプレイシートが複数存在しても、ただ邪魔なだけである。よって、それらが付属しない、“初回購入者以外が無駄を感じない”商品が必要となる。  スターターパックを「鍋」に、ブースターパックを「食材」に例えてみよう。  例えば「鍋」を「1000円」で購入した場合。「食材」は「150円」でその後複数回購入するが、「鍋」はそれ自体を破損しない限り購入の必要はない。  TCGの場合は「スターターパック」に入っているカードはパックによって異なる上に、金銭的に実は「ブースターパック」を購入するよりも得な場合もあるので複数回購入されることもある。  他の販売方法としては「基本セット」などと名付けてあらかじめセット内容が決まっている「スターターパック」を販売する方法もある。これの有用性は後に述べる「レアリティ」が高い、強いカードが確実に手に入ると宣伝することで、「購入すれば強くなれる」と消費者に思わせるところにある。  また、強力なカードを初心者が手に入れ、古参プレイヤーに対抗できるだけの戦力を得ることが容易になれば、それだけゲームの敷居を下げることになる。よって、これを目的とする場合もある。
-------------------------------------------------------------
項目のTOPに戻る
次項に進む

--------------------------------------------------