--------------------------------------------------

遊戯考察|大人の趣味とは? (カードゲームの疑問)


犬:将棋やチェスはもう何百年も人々に親しまれているテーブルゲームである。

 競技人口は多く、世界中に競技者が存在する。
 完成されたルールの中で多くの名プレイヤーが生まれ、歴史が積み重ねられている。
 だが、競技として成り立つ、それの“プロ”が存在できる完成度にある新鋭のテーブルゲームは少ない。

 トレーディングカードゲーム(以降、本項では「TCG」と表記する)で稼ぐ“プロ”も存在すると言うのに(プレイングのみの生計ではない)……役所に提出する紙に「職業:プロカードゲームプレイヤー」と、なぜ公然と書けないのか? 同じテーブルゲームなのに、同じ競技として成り立つものであるのに……なぜ、区別が生まれるのか? 面接や社交辞令で「趣味は将棋です」と言えて、なぜ「趣味はカードゲームです」と言えないのだろう。

 「大人が行うものではない」「ゲームの性質的に駄目」

 そのような簡単な答えでは回答として不十分である。「感覚的に解る」などという結論では終結に至らない。「なんとなく」で上の理由を解釈しているだけでは“納得”がいかない。
 駄目なことは解る。しかし、それがどうして“駄目”なのかを具体的に検証したい。また、それが明確になったのならば、どうすれば問題を改善し、TCGの発展が望めるのかを考察したい。


 ……と、これまでを考察した結果。「大人」と「子供」の境界が、広大尊大な様で私の前に現れた。
 それは「趣向」―――つまりは「趣味」の壁に直面するに至ったことを意味している……。

 
 「趣味の壁ってなんなん?」「大人と子供なんて生育の差だろが」「で、結局TCGはどうした」

 ―――それらの疑問壁はこの後に進むことで瓦解し、その先に私が見た『真の壁』を見ることになるだろう。

 それでは。
 以下、本研究の経過と結論を記載することとする。 

項目リスト


項目0|具体的な問題提起

―― 第一章「TCGとは何か?」

項目1-1|TCGとは何か?

項目1-2|TCGの販売方法

項目1-3|TCGの長所

項目1-4|競技としてのTCG事情

項目1-5|TCGの問題

―― 第二章「大人がやってもよい事とは何か?」

項目2-1|大人が行う事と子供が行う事

項目2-2|目的の再定義

項目2-3|喫煙から見る常識の推移

項目2-4|「恥」と関り深い日本人

項目2-5|「歌う」と「性行為」に見る境界

項目2-6|大人像とオタク

―― 第三章「改善策の提示(最終章)」

項目3-1|個別にTCGの人気・認知度を高め、普及させる手段

項目3-2|TCG全体の風潮を変更する手段(変更するべき点)

項目3-3|研究の総括/終りに……


--------------------------------------------------