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遊戯考察|大人の趣味とは? (カードゲームの疑問)


第一章 「TCGとは何か?」

犬:1―4 競技としてのTCG事情 (そら、遊びでカード売ってる訳じゃないから……) -------------------------------------------------------------  TCGには大きく分けて2種類あり、<項目1>の1に該当する「知性や技術」を競うことを主な目的とするTCGは「競技系TCG」。<項目1>の2・3に該当する「漫画やアニメとタイアップ」したTCGは「キャラクターTCG」とされている。  「競技系TCG」の代表格は『MTG』であり、「キャラクターTCG」の最有名なところは『遊☆戯☆王』であるが、これには「競技系TCG」に近いゲーム性がある。  『MTG』や『遊☆戯☆王』などは世界規模の大会も行われており、それには高額な賞金も掛かっている。  例えば、MTGを使用した賞金トーナメント大会「プロツアー横浜 2007」には全世界から300名以上のプレイヤーが参加し、優勝金4万ドル(約440万円)、総額24万ドル(約2800万円)をかけて熱戦を行った。  現在、世界最大のTCGタイトルは『遊☆戯☆王』もしくは『ポケモンTCG』と目され、それに『MTG』などが続く。TCGの頂点から転落した『MTG』だが、「競技」の深みは明らかに他のTCGより抜きん出ている。これの証明は皮肉な事に、現在の『MTG』の衰退が証明してくれる。  競技としてのTCGは『MTG』に始まり、世界にTCGを広めたのも『MTG』であった。  しかし、歴史ある故か。新商品の発売を重ねるごとにそのルールは追加され、カードの種類も増し、ゲームとしての要素が次々に増加していった。MTGの古参プレイヤー(昔からMTGを行っているプレイヤー)にとって、ルールがより難解になり、ゲームとして高度なものになることは喜ばしい。  ところが、「難解なゲーム」は「初心者の参入」が困難となる問題をはらんでいる。つまり、競技として「難しい(高度)」ということはマイナスの要素にもなるのである。新規参入者が得られなければTCGの発展は無い。  『遊☆戯☆王』はどちらかというと「キャラクターTCG」に属してしまうため、後に述べるように、本研究が目指すものへの参考とはならない。本研究は「TCGを発展さる」ことよりも、「TCGの社会的地位を高める」ことが目的である。「TCGを発展させることはTCGの社会的地位を高める」ことにも繋がるが、ただ発展させればよいわけではない。それについての解説は、今後の検証で行っていく。  重要なことは「TCGの世界大会が行われている」ことではなく、「世界大会が行われているのに、なぜTCGが趣味だと大人が胸を張って言えないのか」ということである。
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