第三章 「改善策の提示(最終章)」
犬:@TCG全体の風潮を変更する手段(変更するべき点)
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1)競技人口を増加させる
「メジャーな競技」でなければプロとして成立はできない。まずはとにかく「TCG」の競技人口を広める。
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2)メインのTCGを業界全体で絞っていく
企業にとってはTCGの隆盛よりも「売り上げ」が重要かもしれないが、TCG愛好者にとっては売り上げなど関係なく、「TCGの隆盛」こそが望ましい。
TCGに新規参入しようと思った時、複数のTCGタイトルが並んでいたらどのTCGを始めればいいのか混乱してしまう。TCGプレイヤーの数は限られているのだから、複数に分散するとそれだけで過疎化するTCGが増加してしまう。
また、折角始めたTCGのブームが数か月で終わり、誰もプレイしなくなったら投じた金が勿体ない。それによって「損をした」と思ってTCGを辞める人がどれほど多いことか。無駄に多くのTCGを乱立する風潮は害でしかない。
現在はTCGが流行っているのではなく、「お気に入りのキャラクターが描かれているイラストカードを集めるだけ」の「トレーディングカード」として流行っているに過ぎない。
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3)「キャラクターもの」という認識を薄れさせる
「キャラクター」に頼っている限り、タイアップ元の副産物として扱われることになる上に、前提として「タイアップ元を知っている人」が購入対象となるので、それ以外の購入層が望み難い。
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4)TCGは「オタク文化」との関係から一度離れる必要がある
現時点で「オタク」は少数派であり、今後それがどのように変化するかはわからない。また、現時点では「オタク」に対する感情に「嫌悪」が多々あることは疑いようが無く、組んでいてもゲームとしての発展速度にブレーキがかかる。ただし、組めば金だけは入り続けるだろう。
そもそもTCG自体「オタク文化そのもの」とも言えるが、ここで言っているのは「誰彼かまわず売るという発想を捨てるべき」ということである。
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5)購入層を完全に「大人」に絞る
子供が購入する場合の配慮などは無視して、完全に「大人の商品」として売り出す。
<項目3>の条件を満たすことは難しいので、それの妥協案として<項目2(大人が行う事)>にTCGを入れることを目的とする。<項目1>は既に満たしているので、<項目2>を達成すれば自動的に<項目3>への変換が成立する。
低年齢層はとりあえず「キャラクターTCG」で充分通じるので、「(販売する)競技系TCGは大人が行う事」と決め付けて販売する。
利点としては「より難解なルールを組むことが可能」となり、それによって競技としての「深み」を増せる。
また、公式大会などでのプレイヤーマナーの大幅向上や、プレイヤー間の良質な交流も期待できる。上にも述べたが、「売る相手を選べ」ということもこれに起因する。
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6)ゲームを行う環境を整える
例え見た目は地味でも、やはり「ゲームが行われている」状況を見れば若干でも興味が湧くのではないだろうか。
TCGをプレイする場合、小学生などは授業の昼休みなどに行うことができ、それによって周囲の人間がゲームのプレイング風景を「目撃」することができる。
百聞は一見に如かず。「こんな面白いゲームがあるんだよ」と口で伝えるより、直接見てもらった方が効果は万倍もある。あまり利用したくはない利点とはいえ、イラストの美麗さや各ゲーム独自のプレイシートも売りなので、それに興味を抱いてもらってもよい。
学生は学校で行えるが、<項目2>に現在属するTCGは「会社で行ってはいけないこと」に含まれるので(『第二章 2-4:「恥」と関り深い日本人』参照)、同僚に宣伝する場所が無い。
別に同僚だけを対象にする必要がなくとも、自宅以外でのプレイング場所は限られてしまう。それでは家族以外はプレイング風景を目撃することが難しい。
また、大人も取り込むのであれば、ゲームプレイの環境を清潔にする必要がある。ゲームセンターのノリではいつまでも「趣味」の領域を抜けられず、それに関わりが浅い人間を誘い難い。今となってはパチンコ店もこれに気が付いている。
よって、新規大人プレイヤーを対象とした店舗を用意する必要がある。
ここでまた「キャラクターTCG」が問題となる。
例えばお洒落で大人な雰囲気の店を構えたとする。喫茶店をイメージしてほしい。
カウンター越しの店主の背後に並ぶ多種に渡る珈琲やグラス―――それらを『ポケモンTCG』や『遊☆戯☆王』の「ブースターパック」に置き換えたのなら……それは、大人の雰囲気作りができていると言えるのだろうか。
人によって見解に意義があることを覚悟で記述するが、『MTG』の「ブースターパック」が並んでいても「子供っぽい」「渋くない」のではないだろうか。
よって、「大人向け」のお洒落な店舗を作るのならば、「大人向け」のお洒落なパッケージと内容を要するTCGの存在が望まれる。
ただし、「メイドカフェ」が成立するのが日本という国なので、もしかすると『ポケモンTCG』のブースターパックが大量に並んでいても、意外な好評を得られるかもしれない。
とりあえず、ギャップによるインパクトと個性はある。
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7)容姿端麗な若手を売り出す
「ホビー」ではなく、「競技」としてある程度社会から認識を得た場合限定だが、そこで活躍する実力ある若手を売り出す手段が考えられる。スポーツで頻繁に成功しているパターンなので、「競技」であればそれに習えるかもしれない。
プレイヤーは競技の「顔」であり、イメージそのものともなる。
「TVCMに出られる程のカリスマ性を持つプレイヤーやチーム」が1つでも出れば、それだけで一気に“メジャーな競技”として認知される可能性もあるだろう。
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