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遊戯考察|大人の趣味とは? (カードゲームの疑問)


第一章 「TCGとは何か?」

犬:1-3 TCGの長所 (“中毒性”と置き換えても良い。“紙の麻薬”とも) -------------------------------------------------------------  「カードゲーム」をゲーム性はともかく、とにかく製作して売りたい場合は他の有名なジャンルを題材にすればよい。それが「キャラクター」など、絵で見てわかりやすいものなら尚良い。だが、本研究で求めているのは「特定のキャラクターや漫画・アニメ」を宣伝することではない。  TCGは本来、/ページ1-1・<項目1>の1/にある「元からカードゲームとして構想されたもの」であった。  競技として成立する、大人数のプレイヤーを抱える最初のTCGはアメリカで作られた。『MTG(マジック・ザ・ギャザリング:通称「ギャザ」)』がそれである。  その流れを受けて、遅れること数年。日本でもTCGのブームは発生した。その切欠となった日本発祥のTCGは/<項目1>の2/に属する『ポケモンTCG』『遊☆戯☆王』である。キャラクターものは日本の得意とするところであり、イラストを必須とするTCGは正に格好の市場となりえた。  いつの時代も子供は「集める」ことを好む。むしろ大人になっても人は何かを「収集」したがる生き物である。「自分の物が欲しい」「もっと欲しい」。それらは当たり前の願望であり、個人資産を望まず、「共有する」ことを人間が望むのならば格差社会など有るわけが無い。「金」は最もコレクターが多い収集物ではないだろうか。例えそれに個性は無く、ただ数を競うだけのものであったとしても、人は集める価値を見いだせる。『収集要素』はまさしく『麻薬』に等しい。  「コレクション(収集)」という要素を含むテーブルゲーム、「TCG」はかなり利益を生みやすいゲームジャンルである。  「収集物」の注目点は「競争性」にある。「これを持っている」「これだけ持っている」と質や量を比べ合うことで優越感や独占欲を満たす。しかし、ただ集めるだけなら切手などでもいいのだが、切手に意味を見出し、そのコレクションを競うにはかなりの想像力と知識が必要である。  ところが、TCGなら比較は簡単だ。絵柄や「レアリティ(珍しさのこと。フィルムなどで光っている仕様の物も存在する)」でも競えるし、何よりカードに「強さ」とも言えるステータスが数字や記号で表記されている。しかもご丁寧なことに、文章でそのカードが持つ特殊な効果まで表記されている場合もある。  競争性の極めつけは実際にそれで勝負が可能な点である。自分のコレクションの優劣を、コレクションを用いて対戦し、実感することができる。  もう1つ、TCGは「オリジナル性」も持っている。CMや広告などで頻繁に見かける歌い文句に「君だけの~を作ろう!」というものがある。若干違いはあれど、これに類似したキャッチコピーは多い。  「収集性」「独創性」はTCGが他のゲームに勝れる要素である。  尚、「独創性」はゲームのシステムではなく、プレイングや準備の際にプレイヤーに求められる要素であり、それを満たせることが本来最注目されるべきTCGの長所である。
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